記憶喪失の元カノにモノ申す!!
さかのぼること、一年と三ヶ月前。
出会って一ヶ月で
武田とういは付き合い始めた。
二人とも幸せそうで、
周りからは羨ましがられていた。
まぁ美男美女だよな。
だけど、半年目の記念日前日に
武田がういをふった。
理由はういの浮気らしい。
相手は教えてくれないから、
俺は知らんが、
あの武田を差し置く輩とは
そやつの顔を拝んでみてぇ。
ん、変な日本語だったことを
謝らせていただきます。
ま、そんなこんなで
この二人はぎすぎすしてるんですよ、
まったく。
俺的にはういはまだ武田が
好きみたいに見えるけどな。
んで、武田も好きなんだよ、きっと。
こいつら、
俺を通して絡むんだもん。
さっきみたく。
俺の立場を考えてほしいねぇ。
「武田、ほれ行くぞぃ」
俺はういの泣きそうな顔を見て
心の中で舌打ちをした。
嫌いなんだよ、女の悲しそうな顔。
別れた日の紫水が浮かぶから。