ラバ―ズΧクロス
家の近所の公園で暫く笑いあってると、私の後ろ側からチリ―ンと音が聞こえてきた。
振り返ると、圭ちゃんのお母さん…つまり私の叔母さんが自転車に乗りながら、手を振っている。
両手に買い物袋をぶら下げながら。
「お母さんっ!?」
「け~い~!!は~づ~き~!!」
「お、叔母さん!!危ないっ!!」
フラフラしながらも微妙にバランスを取り、私達の前で止まった。
私と圭ちゃんは、叔母さんに気づかれないようにホッと息をついた。
「もう、葉月ったら~。私のことは晴美さんって呼びなさいって言ってるでしょ?」
「ご、ごめんなさい」
叔母さん…否、晴美さんの迫力に押されながら、素直に謝った。
「ちょっと、お母さんっ!!危ないでしょ!!」
「このくらい大丈夫よ~」
全く…。と圭ちゃんが溜め息をつく。
圭ちゃんは、晴美さんといるとお姉さんのようになる。
晴美さんがお茶目過ぎて、圭ちゃんのおてんばさが隠れてしまっている。
「じゃあ、圭が荷物持ちなさいよ」
「え~?」
「ほらっ」
明らかにげんなりした顔の圭ちゃんに、晴美さんは買い物袋を2つ持たせる。