ラバ―ズΧクロス
急な出来事に思わず、体を強ばらせた。
「髪、はねてるよ」
優しい手付きであたしの髪を撫で、フッと笑った。
「あ、あ~…。これ寝癖だよ。髪とかすの忘れてた」
普段慣れないことをされ、ドギマギしてしまう。
「河野って、こういうの気にしないよな」
「うん。何かどうでも良い…」
「全く…。そういうのきちんとしてれば、普通に可愛いのに。もったいない」
「かっ!?」
更に動揺し、真っ赤になる。
「な、何言ってんだよ!!らしくないぞ、お前」
「俺は、思ったこと言っただけだよ。…ん?」
突然矢野が首を傾げ、あたしと矢野の頭に手を置いた。
今度は何!?
真剣な目であたしの頭を見る矢野から目を逸らす。
「なぁ、河野。お前また背伸びた?」
「え?そうか?」
矢野につられて頭のてっぺんをみる。
「だって、前は俺と身長変わんなかったよな?」
だんだん矢野の表情が不機嫌になっていく。
「何でお前だけ伸びてんの?ズルい」