ラバ―ズΧクロス
視線に耐えきれず、俯いている私に明るい声が振ってきた。
「葉月!!着替えてくるから、ちょっと待ってて!!」
「う、うん!!」
ニカッと、白い歯を見せた圭ちゃんに頷いた。
部員の邪魔にならないよう、入口の端に立っていると1人の男子部員が近づいてきた。
「沢村さん、そんなとこいないで中に入りなよ」
「でも、邪魔にならないかな…?」
「大丈夫だよ。部活も終わったし、更衣室から離れとけば問題ないよ」
ね?と優しい笑顔を向けられて、私は再び頷いた。
かぁっと、頬が熱くなる。
ありがとう…、と小さく呟いて促されるまま畳に上がる。
「今日も図書?」
まだ赤い顔を隠しながら、小さく頷いた。
「偉いよね。沢村さん」
「え?」
突然の言葉に、キョトンとなる。