ラバ―ズΧクロス
承side葉月
昼休みのチャイムが鳴り響き、圭ちゃんの明るい声が教室に入ってきた。
「葉月!!お弁当食べよっ!!」
満円の笑みで駆け寄る圭ちゃんに違和感を覚える。
「あれ?圭ちゃん、ここはねてる」
旋毛のところにピョンと一束だけ髪がはねていた。
圭ちゃんは、あっと思い出したようにはねてる髪をつまんだ。
「そうだった。ま、いっか。どうせあと2時間しか学校にいないんだし」
そう言ってお弁当を広げ始めた圭ちゃんに向かって溜め息をつく。
「全く…。しょうがないなぁ…」
ポ―チからコ―ムとヘアピンを取り出した。
座っている圭ちゃんの後ろに立ち、髪をすく。
そして、はねの直らない髪をヘアピンでとめた。
「よし、これでさっきよりは全然マシになったよ」
「ありがとー」
「放課後に橘君に会うのに、そんな髪じゃひかれちゃうよ?」
食べていたハンバーグを吐き出しそうになっている圭ちゃんを見て、クスリと笑った。
「あ、朝会ってるし!!」