ラバ―ズΧクロス
「うーん…。きっと、あたしにとってあいつは“仲間”なんだろうなぁ~…」
「仲間?」
「うん。あたしもあいつもお互い信用してるけど、男女とかそういうのじゃないんだよなぁ~」
圭ちゃんは、唸りながら頭を抱え込んでしまった。
「あ~…!!普段頭使わないから、こんがらがってきたぁ~!!」
少々パニック状態なった圭ちゃんを、落ち着かせようと声をかける。
「つまり、橘君とは違うってことでしょ?」
「はぇっ!?」
出てきた名前が予想外だったのか、カチンと音が聞こえそうな勢いで圭ちゃんが固まった。
そして顎の辺りから徐々に赤くなっていく。
漫画見てるみたいだ。
「た、た、た、橘は関係無いっ!!」
背筋をピンと伸ばし、必死になって首を振っている。
私はレアな状況に、更に追い討ちをかける。
「今日は来なかったけど、明日は絶対来るって言ってたよ。借りたい本があるんだって」
「へ、へ―。そうなんだ?」
「確か圭ちゃんって明日部活休みだったよね?」
「だ、だからっ!?」
「来るでしょ?図書室」
「………っ!?」