ラバ―ズΧクロス
「ふっ…。ふふっ」
あまりにも分かりやすい表情に、笑いがこみ上げてくる。
「ちょっと、葉月!!笑わないでよ!!」
「あはははっ!!圭ちゃん可愛いぃ~」
恥ずかしさと焦りが混ぜ合わさった顔に怒りも加わった。
「五月蠅いなっ!!」
圭ちゃんが頬を膨らませ、スタスタと歩き出す。
「ちょっと待ってよ~」
「やだっ!!」
「ごめんって~」
「ぜった~い反省して無いでしょ?」
「そんなことは…あるけど」
そんなやりとりをしていると、急に圭ちゃんが動きを止めた。
「ひゃっ」
あまりにも急な動きに間に合わず、圭ちゃんの背中に思いきり鼻をぶつけた。
「いったぁ~」
「葉月」
「な、何?」
鼻をおさえる私に、圭ちゃんが真顔で言い放った。
「なんか、デジャヴ」
「…………………ぷっ」
一瞬間があり、2人同時に吹き出した。
「け、圭ちゃん。それっ、真顔で言うことじゃないっ!!」
「あはははっ!!ヤバい、腹痛い!!」