双子はアイドルミュージシャン
目が覚めると薄ぼんやり自分が、白いカーテンに囲まれている。
「まだ、生きてる」
体がずっしり重たい。
カーテンの向こう側では、ガチャガチャ言わせながら
人が慌ただしく通り過ぎる音だけが聞こえる。
ああ、ここは病院だ。
頭がズキズキ痛い。
ふと、横を見るとお母さんがいるので
「頭が痛いから、冷やして」
と、言ったので、カーテンの向こうに行ってくれた。
ナイフで刺したんだろうか?
左の手首には、傷の代わりに何本もチューブが刺してあった。
ああ・・・点滴してる。
まだ、みんなでこんな、樹里亜を生かしてくれてる。
もう、いいじゃない。
こんな、私なんか捨てておいてくれたら良いのに。
涙があふれてくるのを、拭う力さえ
今はもう無いよ。