双子はアイドルミュージシャン
「樹里亜ちゃん、
マネージャーと明日の計画の連絡取るから、
電話させてね」
「いいよ、音楽聞いてるから」
スイッチを入れたiPadから私の音楽が、聞こえて来た。
その音に合わせて、主旋律だけを弱々しく右手の指が動く。
ちっとも力が入らない。
頭で歌詞を思い出しながら、
一緒に心の中で歌っている自分をイメージしながら
目をつむった。
子供の頃、近所にピアノの先生がいて
そこへ、二人で習いに行ったの。
毎週課題を出されて、
それを私がどんどん課題以上に進むので
先生の出た大学の先生に紹介されて、
その先生が家に教えに来てくれるようになって、
色んなコンテストに出て、優勝するようになったの。
そこから、私の音楽への道が開かれ、
絶対音感があるって言われて、それが天才的だからって
家族でアメリカに行く事を薦められたの。