元モテ女とダサ男
[柚之side]
ジャー
パシャ!
「ああ!高柴組の奴らにやられただぁ!!」
「…そ、そうだよ…若頭のメンツのために…」
「…つ…この深緒って子は、何をやらかしたんだよ…今、高柴組はいろいろなことに手ぇ出しててそうとう危ねーんだぞ…」
「あぁ、知ってるよ…そんな時に高柴組の奴らに狙われるなんて…」
「………麗…お前に言っとかなきゃいけねーことがあんだけどさ…」
「…?何?」
「この子の体さっき、アタシが洗っただろ?…そんとき、背中にデカイ刀傷があったんだよ…たぶんこの子、堅気じゃないかも知れない…」
「…え…?堅気じゃないって…」
「まぁ、ヤクザじゃないとしてもどこかしらの流派のもんだろうよ…」
「流派って、剣とかの?」
「ああ、刀傷があるわけだし…」
刀傷なんてそうそうこの世の中つくもんじゃねーからな…
「この子の名字なんてんだ?」
「名字?名字でなんかわかるのか?この子一人暮らしって、言ってたけど…」
「ああ、流派の名前は名字が一番おおいからな…」
まぁ、流派に名字が入ってるところはさほど強くねーがな。
「…近衛…近衛だよ」
「近衛?近衛だって!!!?」
近衛といやあ、あの裏でも有名な一族…
夏子に、娘なんていたか?あいつは出てったんじゃなかったのか?
調べるかいは有りそうだ。
麗には、まだ言わないでおくか…
「…いや、なんでもない…勘違いだ。」
「そうか………あ!目!覚ましそうだ!!」
「ホントか!!」