元モテ女とダサ男
「いつも、ありがとこの頃は結構動けるようになってきたよ!」
麗弥と会話しながらの食事にも、なれた。
「そう!良かった!!あんま、無理すんなよ?」
「わかってるって!」
この頃は、二人でお互いのことを話すようになっていた。
というか、そもそも全然知らない人に助けられて、しかもその知らない人の家で厄介になっているのだから
その知らない人が悪者だったら、どうすんだ!
ということに、なるのだが、そんな考えは一切浮かんで来なかった。闇医者なんていう単語がでできているのに…。
あたしは、麗弥のことをだんだん知りたくなってきていた。
今まで、あたしが聞いた麗弥に関する事柄は、
麗弥は、あたしと同い年かも知れないということ。
学校には、行っていないということ。
一人暮らしだということ。
昨日聞いたのだが、たまにメガネをかけるということぐらいだ。
食事以外のときは、あまり喋らないが、二人でこの殺風景な部屋にいて、沈黙だとしてもお互い気まずくはならなかった。