ルーズ・ショット ―ラスト6ヶ月の群像―
あと2ヶ月
1
追いかけて 好きと言え
たとえ後悔しても おれは 言わない
一月三日。
羽月はミツと洋二より、一足早く二十歳の誕生日を迎えた。
朝から曇った寒い日で、空を見上げるだけで震えが来る。
羽月の誕生日会の会場はミツの部屋だ。
解散ライブの前で金がないという現実的な理由と、
洋二がどうしても自分の部屋を掃除するのが嫌だと言い張り、
ミツも洋二の部屋を掃除するくらいなら、
自分の部屋を掃除して会場にしたほうがマシだと考えた。
おかげでこうして、朝から凍りそうな雑巾を絞っている。
絞っている間にカチンコチンに凍るのではないかと思う。
夜八時。
久しぶりにフラワー・オブ・ライフのメンバーとミツが顔を揃えた。
裕太の買ってきたバースデーケーキにろうそくを五本立てた。
裕太は張り切って二十本のろうそくを買ってきたのだが、
「ケーキがぐちゃぐちゃになったら悲しい。」
との主役・羽月の意見で五本になった。
洋二のアンプなしギターで
「HAPPY BIRTH DAY TO YOU」を歌った。
ミツはいつものようにカメラを回した。
たとえ後悔しても おれは 言わない
一月三日。
羽月はミツと洋二より、一足早く二十歳の誕生日を迎えた。
朝から曇った寒い日で、空を見上げるだけで震えが来る。
羽月の誕生日会の会場はミツの部屋だ。
解散ライブの前で金がないという現実的な理由と、
洋二がどうしても自分の部屋を掃除するのが嫌だと言い張り、
ミツも洋二の部屋を掃除するくらいなら、
自分の部屋を掃除して会場にしたほうがマシだと考えた。
おかげでこうして、朝から凍りそうな雑巾を絞っている。
絞っている間にカチンコチンに凍るのではないかと思う。
夜八時。
久しぶりにフラワー・オブ・ライフのメンバーとミツが顔を揃えた。
裕太の買ってきたバースデーケーキにろうそくを五本立てた。
裕太は張り切って二十本のろうそくを買ってきたのだが、
「ケーキがぐちゃぐちゃになったら悲しい。」
との主役・羽月の意見で五本になった。
洋二のアンプなしギターで
「HAPPY BIRTH DAY TO YOU」を歌った。
ミツはいつものようにカメラを回した。