拉致って☆監禁♪~白銀王子と猫耳錬金術師の甘い部屋~
序章~囚われの王子
「く……う……っ」
キアーロの激痛の訴えは、既に言葉にはならなかった。
見た目は、女のように細くとも。
実は良く鍛えあげられたキアーロの腕は、後ろ手で、刺のついた鎖でしばりあげられた上。
目に見えぬ神に頭を垂れるように、無理にひざまづかされていたからだった。
他にも。
キアーロは、半裸のカラダに食い込むほどにキツく。
やはり刺のついた太い鎖を、幾重にも巻きつけられていた。
白い、大理石のように、なめらかだった彼の肌は。
鎖につけられた無数の刺に無残に引き裂かれ。
石作りの、冷たい床を、自らの血で汚し。
ほとんど身動きが取れない姿のまま、長い間ずっと放置されていた。
……闇に沈む地下牢の一室。
これが今の、キアーロの世界の全てだったし。
暗闇の中に、たった一人だったから。
彼がどんなに苦痛を訴えても、誰も聞く者はいなかった。
それは、間違いなくキアーロを孤独に追いやり、心身共にじわじわと壊して行ったけれども。
彼にとって、まだ最悪な状態ではない、と言えた。
……なぜなら。
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