拉致って☆監禁♪~白銀王子と猫耳錬金術師の甘い部屋~
 


 真夜中の人々が寝静まる静かな闇に、女の悲鳴が響いた。


 そして続く絹を引き裂く音に、今まで闇の内にあった、石造りの城内の窓辺に、灯りがともる。

 何事が起こったのか、と。

 手に手に火のついた蝋燭やランプを持った警備兵や、召使いが王妃の寝室の前に止まったのだ。


 ……その大勢が固唾をのむ気配を、扉一枚隔てた向こうに感じながら、フィオーレは、泣きそうな顔で、引き裂かれた夜着をかき合わせた。

 胸の放漫なふくらみを、目の前にいる美しい男の視線から守ろうとして。

 けれども、その黒髪の男は。

 端正な顔を、わざと歪めるように微笑むと、フィオーレのささやかな抵抗を無視した。

 外に居る者たちに、気配を判らせるつもりのように、扉の真横の壁にフィオーレのカラダを押しつけ。

 次に、フィオーレの華奢な両手を拘束する。

 とたんに。

 男が破いた夜着がはだけて、彼女の肌が、あらわになった。

「きゃ……ん……っ!」

 改めて上げようとした、フィオーレの悲鳴は、男の花びらのような唇に塞がれた。

 少し開いた口から、侵入してきた舌が、フィオーレの舌を絡め取り、男は唾液と一緒に彼女の声をもむさぼりつくす。

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