拉致って☆監禁♪~白銀王子と猫耳錬金術師の甘い部屋~
 やがて、フィオーレの唇を存分に犯すと。

 彼は、闇の中にも白く輝いて見える肌に、次々と口づけを落としていく。

「あ……っ」

 麗しい男の巧みなキスに、腰が砕けそうになり。

 フィオーレは、状況を鑑みることを忘れて、ぼんやりとしていた。

 けれども、わざと肌に跡を残すかのように。

 半分噛まれるようにつけられた、キスマークの痛みが、フィオーレの正気をわずかに戻す。

「キアーロ!
 王子よ……これは……一体……何のまね……っ?」

 肩で息をつき、やっと抵抗したフィオーレに、この国の王子は、熱い吐息と共に、言葉を紡いだ。

「……お前が、欲しい」

「キアーロ……っ!
 何を莫迦な……ふざけるのも、いい加減になさい!」

「ふざけてなんて、いないさフィオーレ」

 言って、キアーロは、改めて彼女の首筋を強く吸った。

「義父王に望まれて、後宮に入る前から、僕はお前のことが好きだったんだ。
 僕と乳兄弟のドーニとお前の三人。
 大切な幼なじみで、友人だと思っていたから。
 お前とドーニが愛し合うのを黙って見てた。
 フィオーレが選んだのが、ドーニだったから、お前たちの婚約も祝福してやろうと、思ってた。
 ……なのに、なんだ、これは……!」
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