拉致って☆監禁♪~白銀王子と猫耳錬金術師の甘い部屋~
「特に、何も。
幼なじみに、挨拶をしに来ただけですが」
少しばかり、念入りにしすぎましたが?
……と。
無表情に見え透いたことを言い放つキアーロに、王は、感情も顕に、ギリ、と奥歯を噛んだ。
王は、自分がキアーロが成人するまでのつなぎ、でしかないことをよく知っていた。
雷帝の末裔という、王家の証。
雷神の扉を開くという技は、彼の体内に流れる血に、あったものの、所詮傍流でしかなく。
一国を動かす、政治的手腕でさえ、凡庸で輝くモノはなかった。
唯一、キアーロに長じた年齢においても一応。
彼の、義理の父という立場であるものの。
親、と名乗るには、若すぎた。
だから。
王は、憎しみよりも、焦りに近い色で、キアーロに詰め寄ったのだ。
「これ、をあくまでも挨拶と申すのか?」
王が手を上げれば、取り囲んだ近衛の兵が、キアーロに向かって、槍を構える。
武器を向ける相手が、王より身分の高い王子であろうとも。
イデアーレ王国の現在の権力者は……自分たちの主は、王だったから。
内心の動揺を抑えるように訓練された近衛兵は、無表情だ。
幼なじみに、挨拶をしに来ただけですが」
少しばかり、念入りにしすぎましたが?
……と。
無表情に見え透いたことを言い放つキアーロに、王は、感情も顕に、ギリ、と奥歯を噛んだ。
王は、自分がキアーロが成人するまでのつなぎ、でしかないことをよく知っていた。
雷帝の末裔という、王家の証。
雷神の扉を開くという技は、彼の体内に流れる血に、あったものの、所詮傍流でしかなく。
一国を動かす、政治的手腕でさえ、凡庸で輝くモノはなかった。
唯一、キアーロに長じた年齢においても一応。
彼の、義理の父という立場であるものの。
親、と名乗るには、若すぎた。
だから。
王は、憎しみよりも、焦りに近い色で、キアーロに詰め寄ったのだ。
「これ、をあくまでも挨拶と申すのか?」
王が手を上げれば、取り囲んだ近衛の兵が、キアーロに向かって、槍を構える。
武器を向ける相手が、王より身分の高い王子であろうとも。
イデアーレ王国の現在の権力者は……自分たちの主は、王だったから。
内心の動揺を抑えるように訓練された近衛兵は、無表情だ。