拉致って☆監禁♪~白銀王子と猫耳錬金術師の甘い部屋~
「茶は、要らない。
代わりに、マントを出せ」
「今から、お出かけですか?
もう、夜も更けて参りました。
今日の所は、お休みになり……」
「……うるさい!
このまま大人しく眠ってなぞ、いられるか!!」
辺りには、マウロと猫しかいない気安さで、キアーロは初めて、自分の感情を出さらけした。
まるで、鞭を打つように響く、激情のこもった声だった。
普段は、めったに聞かない声に。
マウロと黒猫は、揃って、びくり、と身を震わせた。
そんな、驚いている侍従長から、キアーロは、外出用のマントをひったくると、自らそれを羽織った。
そして、そのまま。
大股で部屋を出て行こうとする王子をマウロは、慌てて止めた。
「明日は、大事な儀式があります!
もし、夜風にでもあたり体調でも崩されて、ご出席になれないとあれば、侍従長としての、わたしの名折れ!
絶対に、外出などされませんように……!」
「幼い子供ではあるまいし!
風にあたったぐらいで、病になぞ、なるものか!
それに、もう、何もかも関係ない!」
厳重に包んだ感情も、一度殻が壊れれば、修復不可能なのか。
感情のまま、言い返すキアーロに、マウロは一瞬、息を呑んだ。
「やはり……まさか。
フィオーレ様にお会いに行くおつもりでは?」
「……だったらどうする?」
そのとおりだ、と。
すうっと、目を細めたキアーロに、マウロは叫んだ。
「いけません!
あなたは、王位継承権をみすみす捨てに行くおつもりですか?」
代わりに、マントを出せ」
「今から、お出かけですか?
もう、夜も更けて参りました。
今日の所は、お休みになり……」
「……うるさい!
このまま大人しく眠ってなぞ、いられるか!!」
辺りには、マウロと猫しかいない気安さで、キアーロは初めて、自分の感情を出さらけした。
まるで、鞭を打つように響く、激情のこもった声だった。
普段は、めったに聞かない声に。
マウロと黒猫は、揃って、びくり、と身を震わせた。
そんな、驚いている侍従長から、キアーロは、外出用のマントをひったくると、自らそれを羽織った。
そして、そのまま。
大股で部屋を出て行こうとする王子をマウロは、慌てて止めた。
「明日は、大事な儀式があります!
もし、夜風にでもあたり体調でも崩されて、ご出席になれないとあれば、侍従長としての、わたしの名折れ!
絶対に、外出などされませんように……!」
「幼い子供ではあるまいし!
風にあたったぐらいで、病になぞ、なるものか!
それに、もう、何もかも関係ない!」
厳重に包んだ感情も、一度殻が壊れれば、修復不可能なのか。
感情のまま、言い返すキアーロに、マウロは一瞬、息を呑んだ。
「やはり……まさか。
フィオーレ様にお会いに行くおつもりでは?」
「……だったらどうする?」
そのとおりだ、と。
すうっと、目を細めたキアーロに、マウロは叫んだ。
「いけません!
あなたは、王位継承権をみすみす捨てに行くおつもりですか?」