Black chocolate
面倒くさい!岡本。
ずっとそう思いながらなぜか手を見たら、右手の薬指に指輪がしてあった。

この時は特に気にはならなかったんだ。

そんなとき
岡本が話始めた。

「俺は将来、英語教師になりたいんだ。これだけは譲れない、俺の夢。生徒に頼られて、役に立てる先生になりたい。矢崎さんはその第一号だから。俺を頼ってくれて良いんだよ。」

そう言って、先生は微笑んだ。

もしかしたら、あたしが思ってるような人じゃないのかも…

あたしもつられて微笑みながら頷いた。

「やっと笑ってくれたぁ!これで、ちゃんと授業始められるわ~!」

そんなこと言う先生が、なぜか可愛く思えた。

これが恋の始まりだなんて。
まだ気付いていない鈍感なあたし…。
< 5 / 10 >

この作品をシェア

pagetop