メロンパンにさようなら
真っ直ぐ見つめられたその瞳の奥には、寂しさが見え隠れしているように感じた。



何て言ったらいいんだろう。

是非、聞かせてください。なんて言うべき?



私は、

私は……




「聞きませんよ。そんなこと」


聞きたいけど、聞きたいのはそんなことじゃない。

その寂しそうな顔をする理由なんだ。

跳ばない理由を聞けば、その理由に結び付くのかもしれない。


だけど、今は、聞くべき時じゃない気がするから。



無理に聞き出すことじゃない。
きっと、知らなきゃいけないことならば、いつか自然に知っていくような気がするから。



「聞いてほしいなら、聞きますけど。言いたくないことを聞きたくなんてないです」


いつか、話してもいいって思う時が来たら、話してほしい。


そう思うんだ。

それはやっぱり、ただの言い訳になるのかな?
本当のことを知るのが怖くて、ただ逃げているだけになるのかな。


自分でもよく分かんないや。

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