メロンパンにさようなら
「俺とメロン、付き合ってんだろ?」
噂のことを言っているって頭の中では分かったけれど、
「はぁ!?」
思わず素っ頓狂な声を出してしまった。
その反応を楽しんでいるようにケラケラ笑った彼は、
「メロンちゃんと付き合えて光栄です」
なんて笑って言うから、私の気持ちなんて、これっぽっちも分かっていない、この言葉に悔しくなる。
「いい迷惑ですし!」
悔しいから可愛い返事なんて出来なくて、こんな言葉しか出てこない。
「本当は嬉しいくせに」
「嬉しくなんてないですし」
「照れんなよ」
「照れてなんてないですって!」
「はいはい」
「ちょっ!」
「あっ、やっべ!1時間目完璧遅刻じゃね?」
文句の1つでも言おうとしたら、うまいタイミングで話を逸らされた。