メロンパンにさようなら
「寂しがってんのに、強がりで、」

「メロン?」


どうした?と言うように、顔を覗き込んでくるけれど、ポロポロと言葉が零れてくる。



「無理して笑って、意地悪言って。見えてますよ、全部。先輩のそういうとこ、全部見えてるんですからっ!」


彼の顔を背けるように、俯いて言ったのは、反応を見るのが怖かったから。



どんな顔して、この言葉を聞いているのか、知るのが怖かったから。


辛いような、寂しいような悲しいような、そんな顔をさせているって分かるから。

分かってるのに、言ってしまった。



こんなこと言ったら困らせるだけだって分かってるのに、零れ落ちる言葉をどうすることも出来なかった。
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