メロンパンにさようなら
「じゃあ、もし、お前が陸上のこと知ってたら。あいつが言ったように、陸上のこと分かってたら、高見が跳べないって言った時、お前はどうしてた?
跳べって言うか?休んでいいって言うか?」




もしもの話

もし、彼女の話を知っていたら私は、高見翔に何て言ってた?


頑張って頑張って、必死で頑張っている人に、それでも頑張れって、追い込むようなこと言ってた?



そんなこと……

そんなこと言えるはずなんてない。



私の答えが分かったのか、


「そういうことだ」

少しは落ち着いたか。


と、部長は掴んでいた腕を離してくれた。



「休んだっていいって言われて、休もうと決めたのは高見本人だ。大丈夫だ、あいつは」

なんで、大丈夫だって言えるの?
それは、ただの部長の勘でしょ?

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