メロンパンにさようなら

それは、部長の優しさ。

ただ、本をぼぅと眺めているだけじゃ、さっきのことを思い出すから。


彼女のことを。小室由紀に言われたことを考えてしまうから。



“重い”溜め息を吐いてしまうから。




「鬼部長!」

「なんとでも言え。終わるまで帰れないからな」

「え〜っ!」




もし、この場に1人きりだったら、今頃私は、彼女の言葉を思い出し、何にも手につかなくて溜め息ばかり吐いて、見えない答えに悶々と頭を悩ませていたでしょう。


部長がいてくれてよかった。

こうやって課題を与えてくれてよかった。

部長の優しさに、救われた。


そう思うんだ。
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