メロンパンにさようなら
理由
部長と一緒に来た場所は、学校がある駅から電車で二駅離れている、隣街の【鳩が坪緑地公園】と呼ばれている、大きな池のある公園だった。
池を囲うように出来ているこの公園は、春には池の周りにある桜が見事で、花見客で賑わう。
休日には、家族連れが散歩しながらピクニックしたり若者が、ボートに乗ってデートをしたり。
また、ウォーキングやジョギングをする人たち。
多くの人がやってくる公園だった。
部長の数歩後ろをついて公園の中を歩いていると、部長がふと、時計を見て、
「少し休むか」
と声をかけた。
近くには自販機があり、部長は何も言わず自販機の前へ行き、ペットボトルのお茶を二本買うと、
「今日はお疲れさん」
と言いながら、持っていた一本を私に渡した。
「ありがとうございます」
と受け取ると、部長は、すぐ傍のベンチを顎で指して座るように促した。