メロンパンにさようなら
華奢な体の部長にキャッチャーを想像してみるけれどしっくりとはこない。
だけど、高見翔がキャッチャーだったと言われると、絶対、嘘だって思える。
だって、高見翔は、我が儘で俺様だから、そんな人がキャッチャーは出来ないって思うから。
キャッチャーは、ピッチャーをよく知って、チーム全体を見れる人じゃないと。
だから、部長がキャッチャーだったと聞いて、納得できたのは、部長は、そういう素質のある人だと知っているから。
キャッチャーに向いている気がしたから。
「高見先輩相手で、苦労したでしょ」
なんて聞いてみたら、
「あぁ」
なんて言って、笑っていた。
「だからかな。いつまでもアイツの女房役してるのは」
心配なんだよ。と言うように、部長はふっと笑った。
部長が高見翔のことをよく分かってると感じたのは、間違いじゃなかった。
ずっと彼と一緒にいたから。
彼のこと、いつも考えていたから、だからなんだって納得できた。