メロンパンにさようなら

華奢な体の部長にキャッチャーを想像してみるけれどしっくりとはこない。


だけど、高見翔がキャッチャーだったと言われると、絶対、嘘だって思える。
 

だって、高見翔は、我が儘で俺様だから、そんな人がキャッチャーは出来ないって思うから。

キャッチャーは、ピッチャーをよく知って、チーム全体を見れる人じゃないと。


だから、部長がキャッチャーだったと聞いて、納得できたのは、部長は、そういう素質のある人だと知っているから。


キャッチャーに向いている気がしたから。


「高見先輩相手で、苦労したでしょ」 


なんて聞いてみたら、


「あぁ」

なんて言って、笑っていた。



「だからかな。いつまでもアイツの女房役してるのは」

心配なんだよ。と言うように、部長はふっと笑った。



部長が高見翔のことをよく分かってると感じたのは、間違いじゃなかった。


ずっと彼と一緒にいたから。
彼のこと、いつも考えていたから、だからなんだって納得できた。

< 153 / 217 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop