メロンパンにさようなら
「アイツがハイジャン始めたのは、中学入ってからでさ。
中2の時、いい記録出して優勝した時すっげ〜いい顔してたんだけどな。
高校入ってから、かな。
高校入って、小室と付き合って。それくらいから、アイツの顔が曇ってきた気がしてさ。
小室と付き合い始めたのが悪いんじゃねぇかって、アイツに聞いたことあったけど。
何も言わず、ただ苦い顔してた。
俺がアイツを追い込んでたのかも」
「ちょっ、ちょっと待ってっ!」
部長が自分を責めそうになって、慌てて口を挟んだ。
自分を責めてほしくないっていうのもあったけれど、それ以上に、部長の話に疑問も出てきていたから。
「なんで?なんで、小室先輩と付き合い始めたのが悪いんですか?」
好きだったら、付き合ったっていいんじゃないの?
それとも、強くなるためには、愛だの恋だの言っちゃ駄目っていうルールみたいなのがあるの?
部長からの答えは、想像を超える答えだった。