メロンパンにさようなら
「まっ、そんなことはどうでもいいんだけどさ」
なんて、どうでもいいわけないのによく分からない言葉で話を変えようとする部長を見ると、
「ここからが大事な話」
と軽く笑った後、真剣な顔をして、私を見た。
「前に、植草に言いかけてたことがあったろ」
「え?」
いつのこと?
必死で過去の記憶を呼び覚ましてみるけれど、いつのことなのか、何のことなのかさっぱり分からない。
「ほら、先月の天体観測の時にアイツにはお前みたいな奴が必要かもな。って言ったろ?」
覚えてない?
そう言われて、あの日のことを思い出した。