メロンパンにさようなら




「で?なんで、こんなとこにいるわけ?」





三人掛けのベンチに腰を下ろしてそう聞く高見翔の隣に、私は、自分の鞄を挟む形で少し間を開けて並んで座っている。



部長は、というと、高見翔に出会って、軽く挨拶を交わすと、こそこそ二人で何か話してるなって思ったら、

「じゃ、後は任せた」


なんて、訳の分からない言葉を残して背中を向けて、手をヒラヒラさせながら帰って行ってしまった。




1人取り残されて、小さくなる部長の背中を恨めしげに見ていたら、


「座れば?」


と声をかけられ、声のする方を振り向くと、高見翔がベンチに腰を下ろしていて隣の空いている場所を、手で

“トントンッ”

と軽く叩いて、


“隣に座れば?”

と言うように、こっちを見た。
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