メロンパンにさようなら


「佳奈、……話してみ?」



大きくて温かい手の平を私の頭の上に乗せて、そう言うから、彼のその言葉に誘導されるように、言葉が勝手に口から零れた。




「私、間違ってたのかもしれません。言われたんです。なんで陸上休ませてんのかって。
好きだったら、なんで跳んでくれって言わないのかって」



「あぁ」

「私は、陸上のこと何にも知らないし、休んだ後、どれだけ頑張らないといけないのか、分かんないし。
だけど、あの時、先輩に言った言葉間違ってたのかもしれないけれど、後悔してません。
これ以上頑張っても、それでも跳べない時は休んだらいいって、言ったこと。
やっぱり、今でもそう思っているんです。

それって、間違ってるんですか?」


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