メロンパンにさようなら
その寂しさも、悲しさも、全部
全部知りたいから。
あなたの抱えているもの、私も半分持たせてくれませんか?
「分かんないから、だから本当のことを知りたい」
言ったとほぼ同時に、ふわりと、体中が彼の温かい熱に包まれた。
「せん、ぱ…い?」
「少しだけ、こうさせて」
どのくらい抱き締められていただろう。
彼の温もりが離れた時、茜色の空は暗くなっていて一番星が輝き、公園には、あちこちに電灯がつき始めていた。