メロンパンにさようなら
「2年になってから、周りの奴らはどんどん記録伸ばしてるのに、俺だけ伸びなくてさ。焦ってたんだろうな。
焦って、ただ単純に跳ぶことが楽しいって思ってた自分を忘れてた。だから、罰が当たったんだよ」
「罰?」
「あぁ。ハイジャン始めた頃の気持ちを忘れた罰。
インターハイで跳べなかった……。
1年の時の記録も跳べなくてさ。跳べるはずのものが跳べないって、……自分で自分が情けなくてさ。
あの時ばかりは、こんな俺でも結構落ち込んだ」
「うん……」
「暫く何にもやる気出なくてさ。ただ、ぼお〜っと夏休みを過ごしてた時、見ちまったんだよ。親友ん家で。
アイツらがベッドの上で抱き合ってるとこ」