メロンパンにさようなら



「なんで17日?」


小室由紀とのことを心配してくれていた愛に、あの日のことを少しだけ話した。


本当なら、全て話すのがいいのかもしれない。

親友である愛を信用していないわけでもない。


愛なら、誰にも話すような子じゃないってことくらい、私が一番よく知ってる。


だけど、高見翔のことは……
彼の弱い部分は、話すべきじゃないから。

私だけが知っていればいいことだから。



だから、小室先輩と彼の間にあったことは話せなかった。



きっと、愛は私が言えない部分を持っているって知ってたんだろう。


だから、

「話したいことだけ話してくれたらいいから」


そう言って、私の話を聞いてくれた。



彼が、ハイジャンをもう一度やろうとしていること。

それを応援したいってこと。



ただ、そのことだけを話した。


そして、あの日、別れ際に言われた言葉を。
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