メロンパンにさようなら
「俺だったら、150くらいから始めるけどな」
そんな彼の様子を見ながら、隣の青野ミツルが独り言のように呟いた。
「絶対跳べるって分かってるとこからスタートするけどな。けど、あいつは違うんだな」
やっぱ、スゲーな
って言った後、
「お〜い! 高見〜!」
フィールド内にいる彼に向かって叫んだんだ。
「彼女も見に来てるぞ〜!」
って。
その声に反応したのか、グラウンドの隅にいる女子生徒たちが、ザワザワと少し賑やかになった。
きっと、“彼女って、誰?”みたいなことを言っているんだろう。
「ちょっと! 彼女じゃないですしっ!」
青野ミツルに強く否定したけれど、
「そうなの?別にそんなこと、どうでもいいじゃん」
って、軽くかわされた。
どうでもよくないんですけど
グラウンドの隅の彼女たちの視線が痛いんですけど。