メロンパンにさようなら
「練習の邪魔になるので帰ってくださいっ!」
グラウンドの隅で、興奮冷めやらずキャーキャー言っている女子生徒に、ぴしゃりと強く言ってきたのは、マネージャーの小室由紀だった。
「もう、これ以上騒がれると迷惑なんです。だから、関係ない人は帰ってくださいっ!」
彼女の言葉に、渋々ながらグラウンドから帰って行く女子生徒たち。
そんな女子生徒を見送った後、彼女はこちらに視線を向けた。
“あなたも出て行って”
と言わんばかりに。
「私も、帰りますね」
隣にいた青野ミツルに、そう言ってペコリとお辞儀をすると、
「えっ? なんで?」
と、不思議そうな顔をした。
「練習の邪魔、したくないんで」
そう言うと、私が帰ると言い出した理由が分かったのか、“あぁ〜”と頷いて、こう言ったんだ。
「あんたは関係なくないだろ?だから、帰る必要ないんじゃねぇの?」
と。