メロンパンにさようなら
逃避
次の日
朝、学校に行くと、どこからともなく“高見翔、復活”の声が聞こえてきた。
それは、教室に入っても同じで、どこかのグループから
『昨日、見た?』
『見た見た!』
『格好よかったよね、高見先輩っ』
と、興奮気味に話している声が聞こえる。
これまで、そういった学校の話題に耳を傾けなかった私だけど、“高見翔”という名前を聞くだけで、その内容がなんなのか気になるようになっていた。
『跳んだんだよ。すごいよね〜』
なんて声を聞いて、何故か自分のことのように嬉しくて、昨日の、あの光景を思い出した。
空に向かって跳んだ彼の姿を