メロンパンにさようなら
「どうだった?昨日」
そう言って、昼休みお弁当を広げながら愛が聞いてきた言葉に、
「ちゃんと見てきたよ」
と伝えた。
彼が跳んだってことは、私が言わなくてもあれだけ教室中で騒がれていたんだから、愛は知っていることだったし、今、愛は、そんなことを聞いていないって分かってたから。
愛が知りたいのは、私がちゃんと見てきたかどうか、ってことだから。
だから、昨日、ちゃんと、見に行ったってことを報告した。
「そっか」
そう言って、にっこり笑った愛は、お弁当の中に入っているイチゴを私のお弁当の蓋に置いた。
「ん?」
「見てきたご褒美」
そう言って笑った愛に申し訳なさを感じた。