メロンパンにさようなら
そう強く言うのに、愛は、本当にそんなことはどうでもいいように、話を進める。


「もしかして、恋の予感とか?」

「あるわけない!」


恋の予感なんて、天地がひっくり返ってもない。
あんな、俺様我が儘な人を好きになんかならない。


「でも、昼休み、ずっと、くだらない話で盛り上がってたんでしょ?」



くだらない話、かぁ。

確かにメロンパンについて語っていたのは、傍からみればくだらない話かもしれない。

その話だって、彼のペースにはめられたというか、なんというか。



「まぁ、そうなんだけど」

そうなんだけど、そうじゃない。

盛り上がったのは盛り上がったけれど、それは、あくまでメロンパンについてであって、あの時の二人の間には、愛だの恋だの、そんな雰囲気は間違ってもなかった。

それだけは、言い切れる。

< 24 / 217 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop