メロンパンにさようなら
「佳奈も、やっと男に興味持ったかぁ〜」
よかったよ〜と言うように、うんうんと頷く愛に、
「いや、そうじゃなくてね」
そんな恋愛対象とか、そんなんじゃなくてね。
と言ってるのに、愛は、聞く耳を持たない。
「だって、佳奈、男子とそんなに話せないじゃない」
そう言われると、ふと考えてしまう。
どちらかというと、人見知りしちゃう方だし、男、女関係なく、初対面の人って緊張しちゃって、うまく話せない。
男子なんて、特にそう。
好きでもないのに、顔、真っ赤になるし。
でも、あの人は、大丈夫だった。
それは、なんで?
「そうだけど、あれは別だよ。別!」
自分で自分に言い聞かすように、愛に言い返した。