メロンパンにさようなら
「何が?」


「あれは、こう、怒り爆発で、勢いついて話しかけたというか、何というか」

「それでもずっと話してたんでしょ?居心地よかった証拠じゃない」


居心地よかった?

そうなるのかな?


普通に話せたことが、その証拠なの?



いやいや、そんなことない。絶対、あり得ない。



「ない!絶対にない!」


「そう強く否定しないの。恋って、最低から始まることも、よくあることだって」

愛は、どうしても恋に結び付けたいらしい。


「よくあることだとしても、私は、ないから」



そう、そんなこと絶対にない。

あんな我が儘俺様な人、好きになるはずない。

願わくば、もう二度と会いたくない。





そう願っていたはずなのに


愛の言葉が現実になるなんて、この時の私は、まだ気付いてなかった。

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