メロンパンにさようなら

この時に、強引にでも断っておけばよかったんだ。


周りも

「夜道の一人歩きは、危険だから」
「誰かと一緒の方が安全だしね」


なんて言うもんだから、強く断るに断れなくて、流れのまま、こうやって一緒に帰ることになってしまったわけだけど。



駅まで一緒なだけだよね


と思っていたのに、駅に着いても、改札を出ても、いつまでたっても離れてくれないこの人を、どうしたらいいんだろう。




ふと、見えたコンビニ

明日の朝ご飯のパンも買いたいしな。


「あっ、私、コンビニ寄ってから帰りますし。ここから、本当、すぐなんで。じゃ、ありがとうございました」



何に対してのありがとうなのかよく分からないお礼を口にして、逃げるようにしてコンビニへと入った。

< 3 / 217 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop