メロンパンにさようなら
この時に、強引にでも断っておけばよかったんだ。
周りも
「夜道の一人歩きは、危険だから」
「誰かと一緒の方が安全だしね」
なんて言うもんだから、強く断るに断れなくて、流れのまま、こうやって一緒に帰ることになってしまったわけだけど。
駅まで一緒なだけだよね
と思っていたのに、駅に着いても、改札を出ても、いつまでたっても離れてくれないこの人を、どうしたらいいんだろう。
ふと、見えたコンビニ
明日の朝ご飯のパンも買いたいしな。
「あっ、私、コンビニ寄ってから帰りますし。ここから、本当、すぐなんで。じゃ、ありがとうございました」
何に対してのありがとうなのかよく分からないお礼を口にして、逃げるようにしてコンビニへと入った。