メロンパンにさようなら
「いらっしゃいませ」
店員さんの声を横に聞きながら、かごを持ち、菓子パンコーナーへと足を運んだ。
朝はずらりと並んでいるそこは、夜のこの時間は、まばらで数も少ない。
「あっ、あった」
ぶつぶつと独り言を言いながら、棚に残っていた最後のメロンパンを買い物かごに入れた。
「ふぅ〜ん、メロンパン好きなんだ」
突然、背後から声がして、びっくりして肩がすくんだ。
振り向くと、先ほどまで付いて来ていた、名前も覚えていない、あの人が立っていた。