メロンパンにさようなら
「あぁ」

“そうだな”と言って、背を向けて歩き始めた彼が、ふっと立ち止まり、背中越しに、小さく、こう言ったんだ。




「ありがとな」

って。

そう言うと、彼は、走って行ってしまった。



冷たい風が吹いているのに、心が、なんだか温かく感じるのは、なんでだろう。



少しだけ、

彼の、高見翔という人間を見せられた気がした。




もっと知りたい。
もっと、知ってみたい。


そう思う、この気持ちは、一体なんなんだろう。


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