メロンパンにさようなら
寂しいって感じるのは、なんでだろう。
初めて出会った時の気持ちのままだったら、きっと、会わなくて済む。なんて清々しているはずなのに。
一緒にいれなくなることに寂しさを感じているんだ。
それは、私が高見翔を意識しているから?
“ガラガラッ!”
考えたくなくて、自分の気持ちを知りたくなくて、これ以上、中の会話を聞きたくなくて、勢い良く扉を開けた。
中には、高見翔と、浅川部長がいて、二人ほぼ同時にこちらを見た。
「あっ……!」
焦ったような声を出したのは部長の方。
高見翔は、じっと私を見てる。その表情から、何を考えているのかなんて、私には分からない。