メロンパンにさようなら
「何、話してたんだ」
「別に」
「愛の告白とか?」
「ないですし」
「された?」
「されてませんし」
「じゃあ、メロンから?」
「だから、ないですって」
もう、ちゃんと人の話、聞いてた?
はぁ、と軽くため息を吐いて、彼を見ると、彼は、星空を見上げていた。彼の瞳は、何処か寂しげで、そんな彼を見ると、なんて声をかけていいか分からなくなり、黙ったまま彼を眺めていた。
すると、高見翔は、空を見上げたまま
「何?」
と聞いてくるから、慌ててしまう。ずっと彼を見ていたことがばれていたのかと思うと恥ずかしくなる。
「なっ、べ、別に」
「何、動揺してんの?」
「してませんしっ」
だから、つい、動揺してしまい、こんな返事しか出来ない自分が情けなくなる。