メロンパンにさようなら

「よかった」


ぽろりと、零した言葉は、安堵の言葉。

その答えを聞いて、ホッとしたんだ。
ホッとしたって、可笑しいのかな?だけど、少しだけ安心している自分がいるんだ。



「何が?」

青野ミツルが、不思議そうな顔で聞いてきた。


「だって、本当か分かんないんでしょ。ただの噂なんでしょ。信じるも信じないも、自分次第ってことだから。だから、よかったです」


噂なんて、本当かどうか分からないから。
1%正しくても、99%違うことだってあるから。
何が正しいかなんて、本人の口から聞かない限り、分からないから。


「変わってるな、あんた。でも、高見が一緒に居るのなんとなく分かる気がする」


彼がそう言った時、1限目を知らせるチャイムが鳴り響いた。


「じゃ、また」

そう言って、校舎に戻ろうとした彼が、立ち止まって振り返り、こう言ったんだ。



「高見に伝えといて。
俺は、別にお前が跳ばなくても、全然構わない。むしろ、ライバルが1人減って清々してる。けど、面白くねぇ、って。じゃ!」

と。

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