異世界転入生
「ねぇルー君…この転入生…誰かに似てない?」
「ルイの子だ」
「あぁぁ!ルイちゃんの子どもなのね!納得だわ!
そっかそっか、昔のルイちゃんにソックリだったのね!」
「よ、よろしくお願いします…」

謎が解けてスッキリした顔をしている女性に若干引きながらも、ユウはペコリと頭を下げた

「私はリーナよ!よろしくね!
さ、それじゃ皆に自己紹介しないとね!」
「あ、はい…」

『自己紹介』という言葉に少し緊張したユウの手を握り、教室に引っ張り込むリーナ
ルーフェルは、自分の仕事はココまでだ…とでも言うように、その様子を見届け踵を返した

「皆、転入生が到着したわよ!ユウ・フィーマちゃんよ!」
(あれ?苗字が…あ~、そういやさっき、母さんフィーマって言ってたなぁ…
ってことは、僕もフィーマになるわけだ…)

半ば引きずられながら教壇の横にまで連れてこられたユウ
地に足がついてる感覚を何とか確かめ、浮かんだ疑問を自己完結させて視線を足元から教室に向ける
机は2・3人くらいが並べるくらいの長さで、イスもそれぐらいを想定した長さになっている
ザッと見…生徒数は20人くらいだろうか…向こうの学校よりは僅かに少ない感じがする
教室の大きさは、ごく一般的な教室のサイズなので、少し机の間隔に余裕がある

「あの…ユウ・フィーマです
よろしくお願いします」

頭が色々な情報を処理していて、自己紹介文まで考える余裕が無く、最低限の自己紹介で終わった
とりあえず、ペコリとお辞儀をしておく

「センセー!私の隣空いてます!」
「そっかー、ならライナの隣でいっか」
「ヤッター!」

ライナと呼ばれた少女は飛び跳ねて喜んでいる
ユウは少し苦笑いをしながら、ライナに手招きされるままに、そちらに向かう

「私、ライナ・ルーガ!よろしくね!」
「よろしく」

元気の良い挨拶に、ユウはニッコリ笑って答えた

「カッコいいよ可愛いよぉぉ!!!!」
「うぎゃ!?」

ライナは思いっきりユウに飛びついた
まさか、飛びつかれるなんて夢にも思っていなかったユウは受け止められず、2人そろってドシャッと床に倒れたのだった
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