異世界転入生
「ホント、綺麗なまでに晴れてるし、水があったなんて思えないな~」

ユウが呟いていると、隣の家から誰かが出てきた

「あ、ユウ」
「あ、リュウおはよ~」
「おはよ」

リュウもちょうど家から出てきたところだった

「リュウ、早いんだねぇ~」
「あぁ…さっさと学校に行って寝る」
「…ぉぃ」

ユウは小声でツッコんだ…もちろん、すぐ横のリュウには聞こえているが、リュウは気にしていないようだった

「さてと、学校に行くか」

ユウがホウキにまたがると、リュウはスノーボードを出して、ストッと乗る
ゆっくり浮かび上がり、景色を楽しみならがら進む

「そういえばユウって、まだこの辺の事知らないんだっけ?」
「うん、まだ学校ぐらいしか行ったことないからね
昨日は水没してたから、外出なんて出来ないし…」
「確かに、高学年でもなければ水没状態で外出できないね…」
「は!?高学年になったら、水没してても外出できるの!?」
「出来るよ…普通に」
「へぇ…あ!すご~い!綺麗な景色~♪」

ユウは景色を見て大喜びしている

「そう?普通だけど」
「まぁ、ココではね
僕がいたところだと、こういう景色は田舎に行かないと見れないからね」
「ふ~ん…想像つかないな…そんなところ」
「ハハハ…」

そんな会話をしながら飛んでいると学校が見えてきた
一際大きな建物が、山より高い位置に大地ごと浮かんでいる

(大地ごと浮かんでたんだ…気付かなかった…)

ルイと来た時は目を閉じていたし、リュウと帰った時は急いでいて振り返ることも無かった…だから気付かなかったのだ

「着いた~!」
「じゃ、俺は教室に行くから」

ストンとグランドに着地した
リュウも着地すると、さっさと教室へ向かう

「僕はどうしようかなぁ~」

グランドにある時計を見ながら考える
ゆっくり景色を楽しみながら来たので、30分経っていた
18時30分…HRまで、1時間30分残っている

「よし、飛行訓練でもしよう!」

ホウキにまたがり、浮かぶ

「まだ、普通に飛んだことしか無いんだよねぇ~」

フヨフヨ浮かびながら考える
でも、ホウキなんて普通に乗る以外に使わない
仕方が無いので、障害物を避ける練習をひたすらして時間を潰した
< 53 / 79 >

この作品をシェア

pagetop