異世界転入生
「さてと、僕もそろそろ教室に行こうかな」

HR30分前になって、生徒の数が増えてきた
ユウは、ホウキをしまい杖を出す

「開け」

開いた扉に入っていくユウ
昨日ホウキの授業の後に使った扉なので、迷子にならずに進むことが出来た

「今日の授業は何だろう?」

ワクワクした気持ちを抑えながら教室に向かう
向こうの世界では、時間割がキチンと決まっていて、その通りに基本的に進む
しかし、ココでは時間割など無いため、今日何の授業があるか分からないのだ

「おっはよー!」

元気良く教室に入るが、そこには眠っているリュウしかいなかった

「あれ?皆まだ来てないんだ~」

時計で時間を確認すると、HRが始まる20分前
向こうの世界なら、もうある程度の人数来ていてもおかしく無いような時間
だが、今ココには2人のみ

「うるさい…ユウ…もっと静かにして」
「ご、ゴメン…って、もうすぐHRだよ!」
「…HRになったら起こして」

席に着くユウにそう言い残して、再び眠りにつくリュウ

(一体、何時に寝たんだろ?)

ユウからしてみれば、ココの時間はゆとりがあり過ぎて、よく眠れる
今、眠っているリュウが不思議でならなかった…一体何時まで起きていたんだろう

「おはよー!!」
「あ、ライナ!おはよ!」

5分ほどして、ライナがやって来た
その後、立て続けにクラスメイトが入ってくる
HR10分前には、半分くらい集まっていた

「ユウ、早かったんだね~」
「うん、僕はまだココに来たばかりでしょ?
景色も見たかったから、早めに出てきたんだ」
「へぇ~、そうなんだ
それにしても、リュウが早いなんて珍しいわね~」

前の席で眠っているリュウを見て、ライナが言う

「そうなの?」
「うん、いっつも遅刻ギリギリだもん」
(それは、向こうの世界の僕みたいだね…)

遅刻ギリギリ常習犯だったので、何とも言えないユウだった

「おはようです!」
「「おはよ~」」

ユリンは教室に入ると、トコトコ2人のもとにやって来る
雑談で、HRまでの数分を楽しく過ごしたのだった
< 54 / 79 >

この作品をシェア

pagetop