異世界転入生
「は~い、HR始めるわよ~」

リーナが教室に入ってきたため、生徒たちは自分の席に着く
リーナは、教室内を見回して欠席者がいないかを確認する

「リュウ、HR始まるよ」

ユウは小声で声をかけながら、背中をつつく
リュウはそれにピクリと反応し、ゆっくりと体を起こす

「ん…ん~?…あぁ…」

目をこすり、大きな欠伸をして前に立つリーナを見る

「はぁ…」

ユウはため息を一つつくと、前を見る
そこでは、リーナが今日の授業を発表していた

「今日は、物を出す魔法と魔力の授業をするわよ
時間が余っていれば、飛行訓練するからね~」

リーナは、そう言いながら黒板に物を出す魔法と魔力という文字を書く

「今日はどっちも教室でやるよ!
1時間目は10分後、それまでは自由よ」

それだけ言うと、リーナは教室を出て行く
すると、教室の中はザワザワと騒がしくなる

「物を出す魔法ねぇ~イメージが大事だから、大変だよねー」

ライナは机に突っ伏す
確かに、物を出す魔法はイメージが大事そうだ
だが、イメージさえ出来れば、大丈夫なように思う

(僕が知らない物多いからなぁ…)

ユウが少し不安に思っていると、10分なんてすぐに過ぎて、リーナが教室に戻ってくる
教室は、また静かになり、リーナの声だけが響く

「さ、物を出す魔法を始めるわよ!
皆は、まだ無から物を出すことをしたことが無いわね
親が出してくれるのが普通だしね
でも入学した以上、これから基本的に必要なものは自分で出さなければならないわ
なので、今日から授業で使う物を出してもらいます」

リーナはノートを一冊手に持ち、高々と上げる
皆の視線は自然とノートへ
ノートは、普通の大学ノートのようだ

「まずは、このノートという物を出してもらいます
このノートをよく見て、イメージして杖を振れば出てくるわ
イメージ通りに出てくるから、どんなものをイメージしたか、よく分かるわよ!」

リーナの説明が一区切りつくと皆杖を出して、目を閉じ一生懸命イメージする
ユウもイメージする…というか、思い出す
向こうの世界でよく使っていたので、イメージはしやすかった
イメージがきっちり出来ると、杖を振る

「お…イメージ通り」

ユウの出したノートは、ユウのイメージ通りだった
というか、イメージを具現化したものなので、イメージ通りは当たり前なのだが…
ユウはパラパラとページをめくる
ちなみに、ユウの隣ではライナが一生懸命考えている
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