異世界転入生
(皆、ノートの事を初めて見るのかな?)

周りは、まだイメージをしてる途中らしく、目を閉じて集中しているようだ
そして、それぞれのタイミングで杖を振る
あちこちで、色々なノートが出てきた
リーナがそれぞれのノートを見て歩く

「シュウエ、ノートにはページがあるのよ
形だけ出してもダメよ
ルーシィー、それは貴方が読んでる本でしょ
途中でイメージ変えないの!」

アドバイスや注意をしながら、ユウのところまでやってきた
そして、ノートを手に取る

「凄いわね!一発できちんとノートを出せるなんて
もしかして、向こうの世界で使ってたのかしら?」
「あ、はい、使ってました」
「なるほどね~…それじゃ、筆記用具とかも分かるかしら?」
「分かりますよ」
「それじゃ、まだ皆は時間かかるだろうから、先に出して待っててちょうだい」

リーナはそう言うと、次の生徒のところへ行く
ユウは言われた通り、シャープペンや消しゴム、鉛筆、筆箱、下敷き…と必要なものをイメージして出していく
それも、すぐに終わってしまい、する事が無くなってしまった

「ねぇ~、ユウ~~ノートちょっと見せて~~」

なかなかノートが出せないライナはユウに助けを求める

「うん、良いよ~」

ユウは、ノートをライナに渡す
ライナはノートをジーッと見て、パラパラとページをめくったりした

「なるほど…分かったわ!はい、リュウ」
「ぇ?」

自分のところに戻ってくると思っていたユウは、思わず声をあげた
ノートを返してもらおうと出した手が、虚しく宙を彷徨う
一方、リュウは気にした様子も無く、ノートを見ている
そして、納得いくまで見ると、また次へと回す

「そ、そんなにノートが珍しいかなぁ…」

何とも言えない不思議な気分だった
向こうでは、ノートがココまで注目される事はないだろう
慣れ親しんだものが、珍しいとされるのは不思議でならない
ユウのノートを見たり触れたりしたからか、皆もノートを無事に出すことが出来た

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